今年5月、広島市の焼肉店で「排気ダクトから火が出ている」と119番通報があり、店舗が全焼する火災が発生しました。

▶(参考)広島の焼肉店火災から考える『ダクト清掃』と消防対策(なべ行政書士事務所)

実はこうした厨房の排気ダクトを火元とする火災は、全国で毎年のように起きています。しかも怖いのは、火がダクトの中を走って建物全体に燃え広がることがある点です。

今回は、なぜダクトから火が出るのか、そしてお店を守るために今すぐできる予防策をご紹介します。

なぜ排気ダクトから火が出るのか?

厨房で調理をすると、油を含んだ煙がレンジフードから排気ダクトへ吸い込まれていきます。

このとき、油の粒はフィルターやダクトの内側に少しずつ付着し、べっとりとした油の層になって溜まっていきます。

油汚れが堆積したレンジフードのシロッコファン(清掃前)
油汚れが堆積したシロッコファン(清掃前のイメージ)

この溜まった油脂は、いわば「燃料」です。調理中の炎が吸い込まれたり、コンロの火が高く上がったりした瞬間に引火すると、ダクト内部の油を伝って火が走り、手の届かないダクトの奥で燃え続けることになります。

天井裏や壁の中を通っているダクトで火災が起きると、外からは見えないまま延焼し、消火も非常に困難です。

特に注意が必要なお店

油をたくさん使う業態ほど、ダクト内に油脂が溜まるスピードが速くなります。

  • 焼肉店(炭火・ロースターからの油煙が多い)
  • 中華料理店(強い火力と油料理が中心)
  • 揚げ物を多く扱うお店(唐揚げ・天ぷら・とんかつ など)

このようなお店では、開業から数年でダクト内にかなりの油脂が蓄積していることも珍しくありません。

消防庁もガイドラインで注意喚起

東京消防庁は「飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン」を公表し、フードやダクトの定期的な清掃・点検を呼びかけています。排気ダクトの点検表や清掃要領も公開されており、飲食店の方はぜひ一度目を通しておきたい内容です。

排気ダクトは普段目に入らない場所だからこそ、「気づいたときには手遅れ」になりやすい設備です。

▶(参考)東京消防庁「飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン」

今すぐできる3つの予防策

① グリスフィルターのこまめな清掃

フィルターは油を最初に受け止める場所。日常的な洗浄で、ダクト内部への油の侵入をぐっと減らせます。

② ダクト内部の定期清掃・点検

フィルターの奥、ダクト内部の油汚れは専門的な清掃が必要です。数年に一度は内部の状態を確認しましょう。

③ 点検口の設置

「ダクトの中を見たくても見られない」というお店は少なくありません。点検口を取り付ければ、内部の確認や清掃が簡単になります。

スパイラルダクトに取り付けた点検口
当社施工の点検口取り付け事例

当社では、点検口の取り付け工事も承っています。以前の施工の様子はこちらの記事でご紹介しています。
【施工事例】点検口取り付けで厨房排気ダクトを簡単メンテナンス!

また、フードの吸い込みが悪くなってきたお店は、ダクト内の汚れが進んでいるサインかもしれません。
もう放置できない!厨房フードの吸い込み問題と早めの対策のすすめ

まとめ:お店と従業員を守るために

排気ダクトの火災は、日頃の清掃と点検でほとんど防げる災害です。

「うちのダクト、開業してから一度も中を見たことがない…」という方は、ぜひ一度点検をご検討ください。

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